So-net無料ブログ作成
検索選択

2009公開作品仕分け [雑記]

2009年に観た新作ですが、『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』を入れ忘れていたので、都合35作品でした。
そんなわけで、個人的な順位付けは以下の通りです。


1.イングロリアス・バスターズ
2.チェイサー
3.愛のむきだし
4.チェ 39歳 別れの手紙
5.ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
6.グラン・トリノ
7.マイケル・ジャクソン THIS IS IT
8.ロボゲイシャ
9.犬と猫と人間と
10.扉をたたく人
11.人生に乾杯!
12.トランスフォーマー/リベンジ
13.チェ 28歳の革命
14.ラブホテル・コレクション-甘い記憶(西日本編)
15.ラブホテル・コレクション-甘い記憶(東日本編)
16.レスラー
17.ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー
18.ディア・ドクター
19.ウォッチメン
20.母なる証明
21.嗚呼 満蒙開拓団
22.ウルトラミラクルラブストーリー
23.花の生涯~梅蘭芳
24.3時10分、決断のとき
25.剱岳 点の記
26.屋根裏のポムネンカ
27.夏時間の庭
28.バーン・アフター・リーディング
29.サマー・ウォーズ
30.劇場版 虫皇帝
31.スラムドッグ$ミリオネア
32.湖のほとりで
33.私は猫ストーカー
34.buy a suit スーツを買う
―.仮面の宿命 美しき裸天使


はい!
もろに好みが反映されました。
では引き続き、独り善がりを実のありそうな文章にできるかチャレンジしてみますので、どうかお付き合いくださいm(__)m


えー、まずは世間的に一番評価が高かったはずの『スラムドッグ…』について。
いや、もちろんつまらなくはないですよ。
でも、なんていうか欧米の旧植民地に対する贖罪意識みたいなのが鼻に付いたんで。最終的に上から目線だなあ、と思いました。
去年『シティ・オブ・ゴッド』や『ナイロビの蜂』といった優れたスラム映画を観てしまっていただけに、ハードルが高くなってしまったかもしれません。
また、序盤からいくらでも掘り下げられそうな内容も、単なるサクセスストーリーに終わってしまった肩透かし感があり、生命の尊厳について考えさせてくれた『虫皇帝』に遅れを取った形です。

「生命の尊厳」というテーマでは、ぶっちぎりで『犬と猫と人間と』。
ペットを可愛がるのと殺すのと、日本人の掌の返しっぷりを丁寧に追った好編でありました。
人間の見たくもない部分をわざわざ観に行く、という点では『母なる証明』と似ていますが、アフターケアは段違い。事実を表現する際の配慮と、フィクションに対する甘えを感じます。
未来への希望もしっかり提示してくれるので、この種のドキュメントとしては感傷に寄り掛からずに評価できると思います。
もっとも、5年分ぐらいの涙が出ましたが。

『犬と…』が日本人の現代版ダメレポートならば、戦後版ダメレポートは『嗚呼、満蒙開拓団』。
昭和20年5月になってもなお満州への移民事業が行われていたり、日本政府が置き去りにした後無視し続けた在留日本人の墓を周恩来が建ててくれたり、元気よく挙手してから一気に日本人辞めたくなる事実のオンパレードでした。
ただ作品のテーマ上、高齢の方や、日本語を忘れかけた方の発言が多く、言葉が聞き取りづらかったのが残念でした。岩波ホールはお世辞にも音響が良いとは言えませんし。
このような作品をシネコンで爆音上映するような志が、今の日本映画界には欠けているのではないでしょうか。
また、東南アジアにいまなお住み続けている元日本軍兵士の方々を映した『花と兵隊』を見逃したのが悔やまれます。

犯罪を扱った韓国映画では差が出ました。
『母なる証明』の脚本の出来栄えは出色ですが、障害児を救出しようと奔走する母親の母性愛が強烈過ぎて、ホラーになっています。
これは韓国映画の長所でもあるのでしょうが、情感の描写が濃密で、途中から付いていけなくなりました。
「必死な母親」が「変なおばさん」でも、もういいや…という気分になったら負けです。
その観点では、冷徹に「状況」だけを映し出していく『チェイサー』の方が、疲れはしても嫌にはなりませんでした。
脂っこさは似ていても臭みはない、といった感じ。
こちらは登場人物の内面描写をほぼカットして、畳み掛ける展開の力でねじ伏せます。打ち据えられる快感というか、ある種の被虐心が目覚めそうになります。
どちらも頭を殴り付けられるような衝撃作ですから、お好みでどうぞ。

そろそろ1位に触れますと、タランティーノの快作であります。
ナチ占領下のフランスを舞台にしながら戦争シーンは排除し、丁丁発止のやり取りとむき出しの暴力を、毎度お馴染み過去の作品へのオマージュに乗せて繰り出します。
タランティーノ作品ならではの緊迫感に加え、かつてなく切れ味鋭い編集で、ぶっ飛んだ復讐作戦が息付く間もなく展開します。
この作品は今までの映画界のお約束を打破しており、まずは「世界中どこでも誰でも英語話してるルール」を軽々と粉砕し、あまつさえ言語のギャップを面白さに直結させています。
また、ナチと対抗勢力を「虐殺魔」VS.「復讐鬼」というフラットな鬼畜としてバランスを取りきっているのも異色でしょう。
もうひとつ、すんげーエポックメイキングがありますが、話の筋に関わるので言えません。
映画史に名を刻んで然るべき作品だと思います。

対して、極めて戦争映画らしい戦争映画がゲバラの革命闘争をドキュメントタッチで描いた『チェ』二部作。
特に『~三十九歳 別れの手紙』は、ボリビアにおける絶望的な道行きが展開し、煽情的なカットを極力廃した、観ていて狼狽える程の臨場感と心臓をわしづかみにされたような閉塞感が全編に充満しています。
余計な演出がない戦闘シーンは『プライベート・ライアン』(の最初の30分)を凌ぐ緊迫感であると思えました。

『チェ』の素っ気なさとは真逆の、くどいぐらいに丁寧な描写が荒唐無稽な設定を、逆に推進力としていたのは『愛のむきだし』。
不遇な幼少期を経験した主人公が、過去の制約を脱ぎ捨てて愛を得るまでが4時間に迫る尺の中で描かれます。
園子温監督は詩人であり、セリフに力があるのはもちろん記憶に残るシーンも多く、盗撮アクションに大笑いしても泣ける所の感動はでかく、ラストシーンでは胸一杯になりました。
あまりにも熱い展開にあてられたのか、キャストの熱演も半端じゃなく、なんだか神がかっています。
「勃起を恥じるな。愛を恥じるな」
は邦画史に残すべき名台詞だと確信します。

去年公開、というカテゴリーではトップに挙げる人が最も多いと思われるのは、クリント・イーストウッドの引退作(役者として)、『グラン・トリノ』。
何も足さず何も引かず、実に無駄のない傑作です。
しかし、家族も持たず人生に誇りもない我が身としては、さほど人物としての感情移入は出来ませんでした。
むしろこれと『レスラー』『3時10分、決断のとき』で勝手に「2009年度男気三部作」とカテゴライズしたい。
無理矢理これらに共通するキーワードを挙げるなら「友情」「家族」「引き際」。
男の中の男を目指すなら是非目を通しておきたい、男のテキストです。
なお、『レスラー』と『グラン・トリノ』のエンドロールは白眉です。
イーストウッド監督作品では『チェンジリング』も観たかったー。

バカ映画は『ロボゲイシャ』と『トランスフォーマーリベンジ』の一騎打ち。
我が国のキワモノをまとめてぶち込んだ「戦略的国辱映画」の思い切りの良さはむしろ清々しくもあります。
かたや、アメリカを持ち上げすぎて誉め殺しの領域に到達しており、他国事ながら心配になってきます。

期待はずれその1は『バーン・アフター・リーディング』。
豪華キャストが嬉々として演じている登場人物がどいつもこいつもバカすぎて、観ているこっちまでバカにされているような気になりました。
さすがはコーエン兄弟、作品としてはよく出来ているのですが、作り手の頭の良さが鼻に付きます。この作品を屈託なく笑うには、自分にはまだ自惚れが足りません。
期待はずれその2は『湖のほとりで』。
イタリア発のミステリー作品でしたが、このレベルの話は我が国では火サスで放映されます。イタリアには推理小説は不向きなのかなあ。
加納朋子の『ガラスの麒麟』のを読みましょう。
期待はずれ、というか残念だったのは『時をかける少女』で幅広い年代層の心を捉えた細田守監督の『サマー・ウォーズ』。
「大家族」という古くて新しいテーマで引っ張った中盤まではすごく良かったのに、サイバー空間の戦闘という今や手垢の付いたシーンに独自のアイディアを盛り込まず、中高年層向けにハードルを下げた結果、クライマックスが白けてしまいました。
前半は、古い器に新しい飯を盛っていましたが、後半は真逆になってしまったのが悔やまれます。

アニメではぶっちぎりで『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』。
シリーズものとか抜きにしていきなりこれだけ観ても、訳わからないなりに面白さだけが残るでしょう。
あらゆる面であざとい程に面白い。
それにしても、各種デザインは10年以上前とほとんど変わっていないのにまるで古びていないのは、この作品の先見性からなのか、はたまたその年月進歩がなかったからなのか…。

拾い物は『扉をたたく人』と『人生に乾杯!』。
同時多発テロ以後の疑心暗鬼によって理不尽に引き裂かれる人々の絆と、困窮を極めた老夫婦の一発逆転犯罪劇。どちらも本当の意味で悪い人は出てきません。
「じゃあ、誰が悪いの?」そんな謎掛けのような、前者は悲しい説話、後者は幸福な童話です。
『扉をたたく人』で、枯れた人生を歩んできた初老の教授が、打楽器に出会って熱中する目覚ましさ。是非観てほしいシーンです。
勇気を出して踏み出した距離だけ景色は変わり、自分も変わっていける。その可能性の素晴らしさを教えてくれる作品でした。

最後に、この人抜きではこの年を語れず、この作品抜きではこの年の映画を語れないと思われるのは『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』。
史上最高のエンターテイナーが、死の直前まで超人であり続けたことを目の当たりにできます。
超絶的なステージングも去ることながら、苛立つマイケル、息切れするマイケル、自分の感情をコントロールしようと躍起になるマイケルなど、彼の人間らしい部分もふんだんに盛り込まれています。
「ただの人」になれなかった彼は、結局死ぬまでステージから降りることは出来なかったのかも知れません。
森繁久弥が亡くなって戦後が終わった、という意見に沿うならば、マイケルが死んで20世紀は完全に息の根を止められたのではないでしょうか。

とまあ、大雑把な感想でした。
この後、また勝手な基準でベスト3とかやってみる予定です~。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:moblog

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。